この本を読むべき人
まず、個人的に『ファクトフルネス』を以下の人にオススメしたいと考えています。
- 社会や世の中の課題を解決したい人
- 事実に基づいて行動をしていきたい人
- なぜ人々が事実に基づいて行動できないのか知りたい人
これらの人は、
- どのような課題について取り組むことがいいのか?
- そもそも社会や世の中においての課題とは何か?
- なぜ人々は事実に基づいて行動を起こしにくいのか?
- そもそも自身が考えていた問題は本当に問題なのか?
- 事実であるとしたらどのように人々に事実を伝えればいいのか?
といったような問いを数多く抱えているかと思います。
クリティカルでなくても、これらの問いに答えてくれるのが本書だと思います。
『ファクトフルネス』の要約
この本では「データに基づいて世界を正しく見れるようになること」を目的としています。しかし、人は事実関係を整理せずに、先入観で物事を判断する傾向があります。これは人の脳の構造上、致し方ないもので、どうあがいても避けられないようです。
そこで、本書では人の認識の傾向として、以下のものを上げています。
- 分断本能(物事を極端に2項対立で考えること)
- ネガティブ本能(ネガティブなことは印象に残りやすいこと)
- 直線本能(物事の変化は直線的に移り変わっていくと錯覚すること)
- 恐怖本能(恐怖を感じると思考停止にイメージを作ってしまうこと)
- 過大視本能(目の前の数字や経験したことを過大に評価してしまうこと)
- パターン化本能(自身考え方等が全ての人々にも当てはまると感じること)
- 宿命本能(現在のものは本来的に変わらないと考えてしまうこと)
- 単純化本能(既知のモノや既知の手法に置き換えて理解しようとすること)
- 犯人探し本能(物事の原因を人やモノの責任にしようとすること)
- 焦り本能(過激さや焦りから判断した場合、合理的な判断ができないこと)
そして、本書はこれらそれぞれの傾向に対して、対応策を提示してくれています。ただし、人によっては当たり前のことを言っているだけではないかと感じるかもしれません。
特に印象に残った部分をまとめると
- 人口は増え続ける可能性は低い
- 子供の出生率は変化していないし、今後も大きく変化する可能性は低い
- 出生率は上昇していないのに、世界人口が増加しているのは老人までの生存率が上がっているから。
- 以前に比べて、経済的に世界はどんどん豊かになっているということ。
感想
ファクトフルネスを読んで、僕自身、考えているようでなんとなくしか考えていなかったことに気づかされました。というのも、人口が伸び続けるような感覚でいましたし、なんとなく世の中は悪くなっているような気持ちになっていました。しかし、現実は良くなっている部分もあるし、悪くなっている部分もあるということでした。当たり前ですね。。。
人間の脳は物事をドラマチックに考えたいようで、ネガティブな事や直線的に物事を考えてしまいがちになります。人間である以上、意識的に事実を拾っていかないと、事実を認識できなくなってしまうようですね。
僕自身も気をつけていたつもりでしたが、この本を読んでハッとしました。危うく事実に反したことを口走っては、見当違いな問題を立てて、解決しようとしていたかもしれません。。。
また、犯人探しという傾向も無意識のうちに出てきたいたと思います。
例えば、あの組織は良くないとか、あの国は良くないとか、あの人は良くないとか。。。この人や組織にフォーカスして、原因を特定したところで、それで思考停止になってしまうんですね。となると問題解決はされないまま。。。
ただの愚痴ならいいのかもしれないんですけど、問題解決したいなら意味はないですよね。僕はなんとなく他責的な発想に陥りそうになっていたことに気づきました。
あとは、焦り本能のところで、小さな一歩を重ねるという主張があるのですが、金融とかで良く耳にする複利とかと同じような概念だなと感じました。1年で1%の変化は75年で2倍の増加、1日で1%なら75日で2倍。このように、少しの変化を繰り返すことが大きな変化のきっかけを作る方法論かなと。
個人レベルでも地球レベルでも、毎日の小さな変化が最終的な大きな問題を解決すると考えれば、毎日の小さな変化っていうのは非常に重要ですね。
もちろん、何を目指すかも重要な問題です。そのためのデータに基づいた事実の認識はもっと重要だよなーと。
全然関係ないけど、世の中の情報ってリアルタイムじゃないものってまだまだたくさんあるなーとも感じました。
書きなぐりましたが、ひとまずは以上です。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
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