法人は、決算日の2カ月以内に申告・納税をしなければならないというルールがあります。以前の記事を参照↓
今回は、法人であまり起きることはないと思いますが、最悪の事態を想定してみます。
法人の決算の期限までに各機関に書類の提出、納税ができない場合、どうなってしまうのでしょうか?
気になったので、記事にしていこうと思います。
調べて見ていくうちに、うちは赤字だからとか、間に合わなくても大丈夫だろう。といったなんとなくといった気持ちで取り組むのはよくないことが分かりました。
では、なぜいけないのか?
早速まとめていきます。
過ぎた場合どうなるのか?
2つのペナルティがあります。
- 加算税が課せられる
- 青色申告の承認が取り消される場合がある
1.加算税が課せられる
具体的に「1.加算税が課せられる」とはどういうことでしょうか?
以下に詳細を書きます。
加算税には、3種類あります。
(1)無申告加算税
(2)重加算税
(3)延滞税
さらに、一つひとつ詳しく書いていきましょう。
(1)無申告加算税
以下の2つで加算税が変わってきます。
・税務調査前に申告
・税務調査後に申告(調査後に納付すべき額があった場合)
税務調査前の場合
納付税額の5%
税務調査後の場合
納付税額の15%(50万円まで)
納付税額の20%(50万円を超えた部分)
(2)重加算税
期限内に申告せず、税務調査で隠蔽などの脱税行為だとみなされた場合に適用されます。
この場合、納付額の40%を納めなければいけなくなります。
(3)延滞税
法廷期限内に税金を納めなかった場合、納期限の翌日から日割で計算されます。
法廷期限であった翌日から期限後に申請書を提出した日の「翌日以後2カ月」を経過する日までの期間は、年に7.3%の割合で、それ以降は、年に14.6%の割合で計算する。
以上が加算税についてです。
かなり厳しいですね。。。
2.青色申告の承認が取り消される場合がある
承認が取り消されるとどのようなことが起きるでしょうか?
(1)欠損金(赤字)の繰り越し控除が受けれなくなる。
(2)30万円未満の減価償却資産の一括損金算入が認められなくなる。
(3)各種税額控除が受けられなくなる。
(1)欠損金(赤字)の繰り越し控除が受けれなくなる。
青色申告の良いところの1つは、欠損金の繰越控除です。
この制度を活用すると、その事業年度欠損金を良く事業年度以降9年間に渡って、所得金額と相殺することができ、法人税がかからなくなるというものです。
(2)30万円未満の減価償却資産の一括損金算入が認められなくなる。
通常の青色申告では、30万円未満の減価償却資産を購入した場合、総額300万円まで各事業年度の損金として処理することができます。しかし、10万円未満の減価償却資産に限られます。結果として、経費負担が増えることになるようです。
(3)各種税額控除が受けられなくなる。
その他にも各種控除が受けれなくなってしまうことがあるようです。
こちらに関しては、ケースを調べることができなかったので、詳しく書くことは控えさせていただきます。
提出期限が過ぎそうな場合はなにも方法はないの?
と思っていましたが、対策はあるみたいでした。
ということから、提出期限を過ぎてしまう人が一定の数いるということが分かります。。。
僕自身も、今後は他人事とは思わずに、気をつけなければいけません。
申告書の期限は延長申請ができる
この場合の注意点としては、以下があります。
- 消費税の延長申請はできない。
- 申告期限と納税期限は違う。
- 定款で「定時株主総会の開催時期は毎事業年度の終了後2カ月以内」と定めている場合は、延長申請ができない。
書類は、各機関で提出します。
- 所轄税務署
- 地方公共団体への届出申請
- 法人住民税の延長届出
- 法人事業税の延長申請
*東京都23区にある法人は税務署と都税事務所の2か所に提出すれば大丈夫ですが、それ以外では、税務署、都税事務所、市町村税事務所の3か所に提出する必要があります。
書類の書き方や対策などの詳しいことは、会計事務所などにお問合せするのがいいかと思います。
まとめ
今回の記事は最悪のケースを想定したものですが、起きないと思ったことが実際には起きてしまうということはあることだと思います。
実際に起きてしまってからでは遅い場合があります。
先に最悪のケースを知り、他人事とは考えないようにすることが大事だと思います。
それは、自分の身に起こった場合を想像することと同じだと思います。その想像を通して、日ごろの考え方や習慣を形成していくことがとても大事です。
申告・納税期限を過ぎないことが一番ですが、なぜこのような人たちが出てきてしまうのかを考えることも対策につながるのではないでしょうか。
・他人事と考えていた
・他人任せ
・知ったかぶり
・最悪のケースは知っているけど、詳細を知らない
・そもそもルールを知らなかった
といった、なんとなくという感覚をそのままに、わからないという気持ちをそのままにしたことが破滅への第一歩だと思います。
そんな感覚や気持ちがでてきたら、自分のプライドなんかにこだわらず他人に聞く勇気を持つことが本当に大事です。