大学選びにおいて、大学に在籍している学生の質や属性を見ることはとても重要なことです。
在籍生徒が自分に合っている、もしくは、自分の希望する質や属性であれば、大学選びの重要な決め手になることでしょう。
各大学の卒業生の進路情報から、在籍しているであろう生徒の質や属性を調べていきたいと思います。
今回調べる大学以下になります。すべて中国国内において一流大学と言われている大学です。
- 北京大学
- 清華大学
- 復旦大学
- 上海交通大学
- 浙江大学
以上の大学の卒業生の進路状況を調べていきます。
中国の一流大学生の進路(進路状況は2014年卒業生を参考)
まず、基本的な状況を確認したいと思います。
1.総卒業者数
北京大学 | 清華大学 | 復旦大学 | 上海交通大学 | 浙江大学 | |
総卒業者数 | 8945人 | 6698人 | 7509人 | 8642人 | 10822人 |
本科卒業生 | 2619人 | 3110人 | 2875人 | 3547人 | 5308人 |
修士卒業生 | 3827人 | 2489人 | 3323人 | 3777人 | 4305人 |
博士卒業生 | 942人 | 1099人 | 1078人 | 1320人 | 1330人 |
日本の大学と比較してみないと分からないが、卒業者数が意外と少ないように思う。
また、修士以上の学位をとっている学生がとても多いように感じる。(今回は、日本との比較はしない。単純に生徒の進路をみていきます)
中国国内のトップ校同士を比較してみると、浙江大学の卒業生が多いということ以外、特に大きな違いはない。
次は、少し詳しく本科、修士、博士卒業生に分けて進路を見ていきたいと思う。
2.卒業者の進路
1.本科卒業生
北京大学(2619) | 清華大学(2869*) | 復旦大学(2875) | 上海交通大学(3547) | 浙江大学(5308) | 平均(3443) | |
進学(内) | 1214 (46.35%) | 1628 (60.54%) | 891 (30.99%) | 1172 (33.04%) | 1783 (33.59%) | 43.92% |
進学(外) | 855 (32.64%) | 714 (24.88%) | 933 (32.45%) | 933 (26.30%) | 1189 (22.4%) | 27.73% |
就職 | 450 (17.18%) | 467 (16.27%) | 966 (33.6%) | 1327 (37.41%) | 2148 (40.46%) | 28.98% |
その他 | 90 (3.43%) | 60 (2.09%) | 85 (2.95%) | 115 (3.24%) | 188 (3.54%) | 3.05% |
*その他には、進学準備+留学準備+仕事無しが含まれる。
*清華大学の統計情報を確認すると、卒業生総数と、進学調査時の卒業者総数が違います。ですので、ここでは、進学調査時に沿った総数で計算します。(おそらく、卒業はしているが、アンケートが取れなかったと考えられる)
ここで気づくことは、どの大学も進学率がとても高いということ。
今回選んだ中国の一流大学においての進学率は、国内・国外合わせて平均70%ほどになることがわかりました。
かなり、進学率が高いので中国人はキャリアや学歴に対する意識が強いのかもしれません。(現在、筆者は上海に留学していますが、確かに中国人の学歴に対する意識は強いです)
また、中国の北に位置する北京大学や清華大学は進学率が上海の復旦大学や上海交通大学、浙江省にある浙江大学よりも高くなっています。
北京は研究が盛んで、上海などの南の方は比較的仕事に対する意識が強い人が多いようです。
2.修士卒業生
北京大学(3827) | 清華大学(2366*) | 復旦大学(3323) | 上海交通大学(3777) | 浙江大学(4305) | 平均(3519) | |
進学(内) | 96 (2.51%) | 64 (2.7%) | 87 (2.61%) | 175 (4.63%) | 356 (8.27%) | 4.14% |
進学(外) | 236 (6.17%) | 215 (9.1%) | 192 (5.77%) | 412 (10.91%) | 154 (3.58%) | 7.10% |
就職 | 3431(89.65%) | 2067(87.4%) | 2957(88.98%) | 3114 (82.16%) | 3588 (83.35%) | 86.30% |
その他 | 64 (1.67%) | 20 (0.8%) | 87 (2.61%) | 87 (2.3%) | 74 (1.72%) | 1.82% |
修士課程の卒業生は、8割以上の人が就職をするようです。
修士では本科と比べると一気に進学率が下がりました。
理系、研究系の北京大学、清華大学、上海交通大学が若干他と比べると海外への進学率が高くなっています。
3.博士卒業生
北京大学(942) | 清華大学(983*) | 復旦大学(1078) | 上海交通大学(1320) | 浙江大学(1330) | 平均(1130) | |
進学(内) | 151 (16.03%) | 172 (17.5%) | 74 (6.86%) | 63 (4.77%) | 147 (11.05%) | 11.24% |
進学(外) | 121 (12.85%) | 96 (9.8%) | 70 (6.49%) | 12 (10.91%) | 70 (5.26%) | 9.06% |
就職 | 640 (67.94%) | 691 (70.3%) | 888 (82.37%) | 1191 (90.22%) | 1066(80.16%) | 78.19% |
その他 | 30 (3.18%) | 24 (2.8%) | 48 (4.45%) | 54 (4.09%) | 47 (3.53%) | 3.61% |
博士課程でも、就職する人が8割近くいます。
しかし、進学率が修士に比べると上がっています。
あくまで、仮設ですが、修士までは、キャリアを作るために進学した人が多かったのに対して、
博士まで進学した人は、本当に自分の専門の研究がしたかった人が多かったからとも考えられます。
そのため、進学率が修士よりも上がったのではないかと思います。
ひとまず、進路シリーズ第一弾はここまでとします。
次回は、今回の内容を踏まえて、さらに細かい進路状況を確認していきます。
各引用元は、以下に記します。