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第三者割当増資とは?目的や手続きなどをまとめてみた


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本記事の目的

今回の記事は第三者割当増資を理解するということが目的です。

株式会社の資金調達方法は大きく分けて、デッドファイナンスとエクイティファイナンスの2つあります。

そのうち、第三者割当増資はエクイティファイナンスに属します。

というのも、エクイティファイナンスの全体を構成する要素としては、公募・株主割当・第三者割当増資・転換社債型新株予約権付社債(CB)の4種類があります。このうち、第三者割当増資にフォーカスした内容となります。

 

 

 

第三者割当増資とは

では早速、第三者割当増資についてまとめていきたいと思います。

単語の漢字を分けて考えてみると理解の助けになることが多いかと思うので、「第三者割当増資」の漢字を分けて、それぞれの意味について考えてみましょう。

 

「第三者割当増資」

・「第三者」:公募投資家でなく、既存の株主でもない、その他の者。

・「割当」:ある物事を分けて、ぞれぞれを担当する物や人に渡すこと。

・「増資」:会社の資本金を増やすこと。(新株を発行)

 

これらの言葉をまとめると、第三者割当増資とは「既存株主、且つ、公募投資家以外の投資家に新株を割り当てて、資本金を増やすこと」という意味になります。

 

第三者割当増資の目的

第三者割当増資そのものを行う際の利害関係者は3つあります。

  1. 株式会社
  2. 新しく増資を割当する投資家(会社を含む)※第三者
  3. 既存株主

このうち既存株主は第三者割当増資のメリットを受けることができないため、株式会社と第三者(新しい投資家)の目的についてまとめていきます。

 

株式会社にとっての第三者割当増資の目的

・事業シナジーによる事業拡大

・増資によって事業資金、成長資金に充てるため

・経営を立て直すための資金調達(事業再生目的)

・会社の認知度向上(投資家が有名な場合)

 

新しい投資家にとっての第三者割当増資の目的

・インカムゲイン(配当利益等)

・キャピタルゲイン(売却差益)

・事業シナジーを見込む

 

第三者割当増資のメリット

メリットを下記に簡単にまとめていきます。

・返済の必要性がない

・株主との連携強化

・信用力の向上

 

第三者割当増資のデメリット

次に、デメリットを下記に簡単にまとめていきます。

・既存株主の持ち株比率の低下(希薄化)

・納税額の増加(基準値を超えた場合)

・コスト及び手間がかかる(変更登記を行うため)

 

第三者割当増資の主な手続きの流れ

続けて、第三者割当増資に必要な手続きに関して、この記事では概要を整理していきたいと思います。そもそも、第三者割当増資については、会社法で細かく規定されており、実際の手続きを進める際は、会社法を確認しながら進めます。

 

narumi-yamauchi.hatenablog.com

 

まず、基本的な流れとしては下記の通りとなります。

  1. 新しい株主の募集条件決定
  2. 募集事項通知と株式申込
  3. 株主総会による決議(特別決議)
  4. 出資履行
  5. 登記

それぞれについては簡単に後述します。

 

新しい株主の募集条件を決定

下記の項目を決定していきます。

・株式の数

・金額と算出方法の決定

・現物出資の内容、もしくは、金額

・振込期間、振込期日

・増加する資本金、準備金

 

募集事項通知と株式申込

・上述した決定事項を新しい株主に通知

・期日までに新しい株主が第三者割当増資を行う会社に申込書を提出

 

株主総会による決議(特別決議)

・株主総会の特別決議によって第三者割当増資を決議

・公開会社の場合は、取締役会にて決議可能(新株予約権の発行も)

 

出資履行

・指定の金額を振り込む(もしくは、財産を引き渡す)

 

登記

・法務局に登記の変更を行う

 

以上が第三者割当増資に関する主な手続きとなります。

 

まとめ

今回、第三者割当増資とは?という問いに対して答える形で本記事を作成しました。

改めてまとめると、第三者割当増資とは「既存株主、且つ、公募投資家以外の投資家に新株を割り当てて、資本金を増やすこと」ということです。

また、第三者割当増資にはメリットとデメリットがありますが、それぞれについて自社や投資先の状況を加味した上で判断する必要がある、総合的な施策の1つです。

短期的な施策ではなく、株主とは事業を一緒に取り組んでいくパートナーとなり得るため長期的な施策となります。そのため、増資をする会社側は返済の必要がないという側面だけで第三者割当増資を選択すべきではありません。投資家の視点もしかりです。

このような施策決定の意思決定に対して、実務面でも注意が必要です。

実際に第三者割当増資を行う場合、単純に投資を受ける側と投資をする側の当事者同士の意思判断だけでは決定することができません。株主総会もしくは、取締役会での決議があって初めて第三者割当増資を実行することができます。そのため、小規模であれば第三者割当増資をする際はそこまでの障壁はありませんが、大規模な会社などの場合は利害関係者が多く調整業務にとてもエネルギーが割かれるでしょう。

したがって、第三者割当増資をやろうと決定した後は、綿密な計画を立てて、各利害関係者の説得を行う必要があります。

引き続き、個人的にまとめたい内容があれば、追記や新しい記事を作成していきます。

以上、ここまでが第三者割当増資についてまとめとなります。

 

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