目次
シェアリングエコノミーとは何か?
先にざっくりと簡単にシェアリングエコノミー(sharing economy)を説明させていただきましょう。
巷には、個人の遊休資産がなんちゃらかんちゃらと言われていますが、
要するに、「人が持ってるモノ・技術・土地とかであんまり活用できていないものをみんなに共有して、手数料をもらってサービス(経済活動)すること」ってことです。
端的に言うと、人の資源をシェアするサービスです。
場合によっては、人の資源をシェアするサービス経済全体を指すこともあるでしょう。
ちなみに、シェアリングエコノミーは日本語では共有経済と言われます。
また、似たような概念としてアイドルエコノミー(アイドリングエコノミー)というものもあります。
さらにシェアリングエコノミーの上位概念には、サーキュラーエコノミー(circular economy)というものもあります。
ただ、言葉だけ言われても。。。
って感じだと思うので、追加で整理していきたいと思います。
アイドルエコノミーとサーキュラーエコノミーとは何か?
アイドルエコノミー
先にアイドルエコノミーについて述べていきます。
アイドルエコノミーとは、空いている資源を取りまとめて有効活用する経済の活動のことです。
アイドルエコノミーは英語にすると「idel economy」、あくまで「idol」ではないので注意が必要です。
idelの意味は仕事のない・働いていない・遊んでいると言ったことを表すので、使われてないもの、つまり、空いているものという意味にも理解できます。
また、よく駐車場などで見るアイドリングストップとは、止めている状態でエンジンをかけること規制する標識なので、同じような意味で使われている例として理解できます。
サーキュラーエコノミー
では次に、サーキュラーエコノミーについて述べていきます。
サーキュラーエコノミーとは、円を描くように再生し続ける経済活動・環境を指します。
この言葉は少し抽象的な言葉ですが、circularとは円形のという意味を指す通り、円を描くように持続していく経済のことを指しています。
持続していくという意味でサステイナビリティといった概念と似ています。
この言葉は、大量生産・大量消費という成長モデルに対しての危機感から生まれた言葉だと推測できるのですが、ひとまず、今回の記事では深く触れるつもりはありません。
しかし、気になるので調査予定です。記事を作成したら、この記事にもリンクを載せます。
シェアリング・アイドル・サーキュラーエコノミーの違いとは?
簡単にまとめさせていただきます。
シェアリングエコノミーはモノを共有することを重視した言葉です。
アイドルエコノミーは特に使われていないモノを共有することを重視した言葉です。
しかし、一般的にはどちらも同じことを指しています。共有か、有効に使うかに注目しているだけの差です。
他方で、サーキュラーエコノミーとは、持続可能な経済活動を指すもので、シェアリングやアイドルもこの概念の中に含まれます。
僕は、今後5年以内で、サーキュラーエコノミーという言葉の方が使われることが多くなることを予想しますが、現段階で一般的には浸透しているとは言えないでしょう。
(もっとうまく表現できる抽象概念が出てきた場合は別だが。。。)
シェアリングエコノミーにはどのような特徴があるのか?
簡単に思いつく限り書いていくと
・人や企業のモノや資源の貸借り・売買・交換する
・インターネットを介する
・相手を探す手間が省ける
・世の中に必要な分だけのモノが提供される(エコ)
・規模の拡大が容易
・その土地の生活スタイルや文化に強い影響を与える
・様々なデータを取り扱う
・使われていないモノを有効に使う
などが挙げられます。
具体的にはどのようなサービスが展開されているのか?
まずはじめに、サービスが展開されている分野は、以下の5つの分野です。
・空間をシェア
・モノをシェア
・移動をシェア
・スキルをシェア
・お金をシェア
次に、各分野毎に有名なサービスをまとめていきたいと思います。
・空間
SPACE MARKET / STAY JAPAN / airbnb / nokisaki parking / social apartment / spacee / SHOP COUNTERなどがあります。
・モノ
air Closet / FRIL / Laxus / mechakari / mycle / mercari / ジモティーなどがあります。
・移動
UBER / notteco / COGOO / Ca Fo Re / Hitch me / COGICOGI / Anyca などがあります。
・スキル
Crowd Works / coconala / AS Mama inc. / Huber. / TABICA / ANYTIMES / TIME TICKET / Kitch Hike / nutte / tadaku / vog huggy / タスカジ などがあります。
・お金
Makuake / READY FOR? / STEERS / Crowd Realty などがあります。
簡単に調べただけでもたくさんのシェアリングエコノミーのサービスを展開している企業があります。
分野に対してまとめただけの情報になっていますが、今後はさらに分析を進めていこうと思います。
実は昔から同じようなサービスは展開されているのでは?
ふとした疑問ですが、ネットという特徴を外すと、昔から同じようなサービスや考え方が展開されていたのではないかと思いました。
例えば、
・ヒッチハイク
・レンタカー
・シェアハウス
・余った食材や料理を他の家庭に配る
・図書館
などなど。
今と違うところといえば、ネットというプラットフォームを使って効率的にマッチングができるかどうかでしょう。
また、中央管理者がプラットフォームのルールを決めたり、第三者として取引を監督するという機能があることが違いではないでしょうか。
以前は隣同士や偶然すれ違った人に対しての活動でしたが、現在は、ネットの力で多数の候補者の中から探せて、取引における第三者の監督も可能にしています。
なぜシェアリングエコノミーが注目されているのか?
サービスを受ける側とサービスを提供する側でそれぞれ細かい理由は違うかもしれませんが、共通している認識としては、現在の経済活動を続けていては持続的な人間の活動ができないということではないでしょうか。
そのため、エコやリサイクルなどの資源の節約・サステイナビリティと言った概念が変化して、シェアリングエコノミーという経済的な視点も取り入れた新しい概念になったんだと僕は考えます。
今後、このような流れは技術的にも環境的にも強くなっていくと思います。
そもそも地球環境が安定していない中での経済的な活動は営めません。
しかし、現在のような経済活動を世界的に続けていった場合、私たちの住んでいる地球環境は劣悪なものになっていくことは間違いありません。
シェアリングエコノミーが注目されている理由は、経済的・ビジネス的な理由もありますが、もっとも重要な理由は、自分たちの住んでいる環境を持続可能なものにするところにあります。
ただし、エコ!エコ!言っているだけで何も進まなかった昔に比べて、ビジネスの力を混ぜて、解決のための行動への推進力をつけたものと考えることができるのではないでしょうか。
どちらか片方の理由では人々を動かすことができませんでしたが、ビジネスや経済的な理由も付け加えることで、国や企業や個人のインセンティブ(行動する理由)ができます。。
そういった意味で、経済的・ビジネス的・地球環境的な理由全てが、注目されている理由かもしれません。
シェアリングエコノミーにはどのような問題があるのか?
しかし、シェアリングエコノミーにはいいところばかりがあるわけではありません。
以下の問題が存在しています。
・安全性の保障
サービス提供する者と利用者の安全性の確保の問題です。
日本人のシェアリングエコノミーを利用したくない理由で一番大きなものは、事故やトラブル対応に対しての不安のようです。
他方で、利用者以外に対する影響も無視できるようなものでもありません。
その点も改善する必要があるでしょう。
・保険や保障制度の整備
まだまだ、始まったばかりのサービスのため、事故やトラブルが発生した場合の対応の不明瞭さと範囲の明文化がされていない。想定外のトラブルが多く、対応が追いついていないなどの問題がある。
・法律・規制や既存産業・事業者との対立
法律の整備がまだ整っていない。逆に言えばチャンスなのだが、ユーザー視点では不安を煽る要因になってしまう。法律の整備が整っていない理由としては、サービスを提供する者が法人に限らず、個人でもあるため、既存の事業者に対して向けて整備をしていた法律をどのように個人に当てはめていいのか決められていません。
また、現状は、既存産業としての事業者にとっては邪魔な存在であることも事実です。そのため、シェアリングエコノミーのサービスと既存のサービスでは対立が起きることがあります。そうなると、サービスの普及が遅れたり、イメージが悪くなったりと様々な問題が追加的に発生します。
他方で、課税などの問題も発生しています。日本の個人はあまり確定申告の習慣がありません。それも伴って、個人が取引して得た利益に対してしっかりと課税されているのかどうかという問題も発生しているのです。
・デジタルの格差
インターネットの利用率は年齢によって差が生じています。また、地域によってネット通信の速度やそもそも使えないという問題もあります。
そのため、デジタルデバイド(デジタル格差)という電子格差が世代別や地域別に起こってしまうという問題です。
これは、シェアリングの問題というよりもネット全体に言える問題ですね。
・シェアへの抵抗感
純粋にシェアリングエコノミーに対しての抵抗感というものはまだまだ存在します。
日本のシェアリングエコノミーの認知度・利用意向・利用率ともに最低水準であることがわかります。
参考↓
総務省|平成28年版 情報通信白書|シェアリング・エコノミーの認知度・利用率・利用意向
などなど。
問題に対してはどのような改善策があるのか?
・安全性の保障
サービスの質と支払の保証することで、安心してもらう。
未然にどのような問題が起きる可能性があるかを通知(隣人に迷惑をかける可能性など)。
動画での研修やトレーニングをして、個人の対応能力の向上をはかる。
お客さんのバックグラウンドの確認をする。
などが挙げられるでしょう。
・保険や保障制度の整備
保険会社のシェアリングサービス向けの保険の利用
手数料から保険として代金をいただく。
などが挙げられます。
・法律・規制や既存産業・事業者との対立
既存産業とシェアリングサービスを対立したものではなく、同じ目標を持って事業に取り組む関係にする。
ここは、具体的な対応策はかけませんでした。
・デジタルの格差
年配者に対するデジタル教育をする。
ネットの普及活動。実際、日本人にとってはネット環境は問題ないと思います。問題は、外国人にとってネットが使いづらいと言ったことでしょう。(Wi-Fi環境の整備、SIMカード購入の簡略化など)
日本において、シェアリングエコノミーでのデジタルデバイスを問題にすることはあんまり的を射ていないと思います。なぜなら、日本人にとって、ネット環境は整っているし、サービスの利用者も日本人をターゲットにしているはずです。
それなのに、デジタルデバイスを問題にするのは違うような気がします。
グローバルなサービスにするなら、一概には言えませんが。。。
・シェアへの抵抗感
時間による解決
普及活動を進めていく
その他問題の解決を同時並行
という以外に解決方法はないのではないでしょうか。
まとめ
現在、日本においてはサービスの普及がまだまだ一般的になっているわけではありません。今後は、普及活動やサービスの質を高めていく必要があるでしょう。
また、既存事業者との対立もとても大きな問題です。政府としては、シェアリングエコノミーを推進していますが、既存事業者は自分たちのためにも必死です。
そのため、お互いに納得できるような解決策を示すことが重要でしょう。
今までのやり方では、既存事業者の対立を煽るだけなので、サービスの普及がより一層遅れてしまいます。
他方で、法整備が遅れているということは、国自体も全く予期していなかったサービスが展開されていることでもあります。
国側も、新しいサービスではどのような問題が起きて、どのような強度で規制をしたり、推進をしたりしていいのかわかっていません。
データがないのです。
これのような問題は、ビジネスをする側に視点を変えてみると、とてもチャンスだと言えるでしょう。なぜなら、ビジネスを広げやすいからです。すでに、シェアリングに参入していった事業者はありますが、戦略的に考えれば、さらに新しい事業を展開していくことも不可能ではないはずです。
私自身、このシェアリングサービスは一瞬の流行りとして終わるわけではなく、大きな流れとして、動き出していると思います。
その先にあるビジネスも考えた上で、今のシェアリングサービスの展開を考えていった事業者に勝者が生まれるとも考えています。
シェアリングエコノミーに関して情報収集をする際の参考までに
シェアリングエコノミーラボ
シェアリングエコノミーラボの運営会社(ガイアックス)
シェアリングエコノミー協会
総務省のシェアリングエコノミー統計情報
総務省|平成28年版 情報通信白書|シェアリング・エコノミーの認知度・利用率・利用意向
チャイナテックメディア
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