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【感想】『IoT まるわかり』、三菱総合研究所編、日本経済新聞出版社


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目次

■『IoT まるわかり』を読んだ背景

今回は、この『IoT まるわかり』というを読みました。

 

理由としては、IoTは物と物がネットでつながるということを言い表した概念で、具体的なモノやサービスを指した言葉ではありません。

 

そして、以前よく話題になったビッグデータやシェアリングなどのビッグワードもこのIoTというキーワードの下位概念だと考えることができるかと思います。

 

また、IoTの概念上、データを集めたり組み合わせたりしたモノを分析し、ある結論としてアウトプットしなければ何の価値もないデータとなります。(もっと言うと、行動を伴わない限り無価値)

 

このデータ処理をAIと考えるとIT業界で話題になっているキーワードは単独で浮遊しているようなモノではなく、一連の関係性が見えてくるかと思います。

 

このような考えのもと、ITという分野で世間的に話題になっているIoTとその他キーワードに関する一連の関係性を明確にするため、そして、新しい事業やアイディアの創出に有意義な問いを生み出すためにこの本を読むことにしました。

IoTまるわかり (日経文庫)

IoTまるわかり (日経文庫)

 

 

■『IoT まるわかり』の目的を紹介

▼本書の目的

まず、この本は

「IoTの全体像を大まかにつかんでもらい、そのインパクトを理解してもらうこと」

そして

「個別によく耳にする関連用語を理解し、そのつながりをわかってもらうこと」

を目的に書かれたものとなっているようです。ということなので、この目的を持ってる方だったら、読んでみてもいいかもしれません。

 

▼この本の言うIoTとは?

IoTというこの言葉は、「Internet of Things」の略語です。

 

日本語にすると「モノのインターネット」となりますが、一見すると意味わかりませんよね。

 

簡単に言うと、「モノや人などの様々なことがネットを介してつながって、やり取りすること」ということです。

 

これと似た概念でM2Mというものがあります。これは簡単に言うと、「機械と機械が繋がってやり取りしてもらう」ということです。何が違うのかと言うと、IoTは人をも含んだ広い概念であるのに対して、M2Mは機械のみの概念となっています。

 

ただ、これを聞いたり、見たりしただけでは、「え?そんなこと当たり前なことじゃないの?」「何でそんなことが今更注目されているのかもよく分からない」と感じるかもしれません。

 

ちなみに、僕もそんな一人です。笑

 

■なぜ今更IoTという言葉が祭り上げられているのか?

さて、今更IoTかよ。っていう感じですが、改めてなんでこの言葉が祭り上げられているのかを本の内容に沿って書き出していきたいと思います。

 

1:機器に取り付けるセンサーが安くなり、センサーの種類が豊富になった

2:端末価格(スマホ等)が安くなり、普及した

3:通信環境が整ってきた

4:データ蓄積インフラ、データ分析技術の向上

 

これら4つの要因によって、最近になってIoTが祭り上げられていることを主張しています。

 

各項目を見てみると、要するに、機材が安くなって、機材が普及して環境が整い、そして、ITの技術的な課題を解決したことによってIoTという概念を実現できるようになったということです。

 

センサーや端末価格がどのくらい安くなったのかは現時点で把握していませんが、かなり安くなったことは想像に難くないですね。

 

また、通信インフラが整っていることも先進国に住んでいる人には想像しやすいですね。

 

加えて、IT技術の発展は機械学習、深層学習、半導体の性能向上という要素から経験則レベルでは説明できるんじゃないかなと思います。

 

そして、なぜ僕がIoTが今更祭り上げられてるのか?って考えると、そもそも今のセンサーや半導体、分析技術などを前提に考えてたことが原因かなと思います。

 

昔の状況を知っている人は、「お!なんかできることが増えた〜!」って感じなんですよね。

 

■どんな分野・産業での応用が考えられるのか?

この本では消費・サービスへのインパクト、そして、製造業・ものづくりへのインパクトの二つの枠で説明されています。以下、簡潔にまとめていきたいと思います。

 

▼消費・サービスへのインパクト

・小売、店舗

小売、店舗ではO2Oの施策が拡大している状況ではあるが、今後、IoT活用型のO2Oへマーケティングが変わっていくと言うもの。スマホやウェアラブル端末の情報と小売、店舗での情報を掛け合わせて、マーケティングに活用することが考えられるとのこと。

 

・流通、物流

RFIDなどを活用することでユーザの注文に対して、在庫などをリアルタイムで管理して適正な水準を保てることが考えられるとのこと。

 

・サービス

実店舗やサービス券などの物理的な制約に縛られない、電子チケットなどが普及してきており、旅行などでも個人でスマホ一台あれば簡単に行動できるように変化してきている。要するに、ユーザ一人一人向けにいつでもどこでもサービスを展開できる。このような状況では、便利さでは差別化できなくなってきているので、ユーザの感情を揺さぶるような施策をし続ける必要があるかもとのこと。

 

・エンターテイメント

個人の好みを把握できるだけにとどまらず、ビジネスモデルが変わってきている。パッケージ型のものではなくて、購読型のビジネスモデルへとシフトしてきている。あとは個人に向けて好きな場面、好きな瞬間だけを切り取って提供することにも価値が出てきている。つまり、過去に蓄積されたデータなどは価値が下がってきており、同時性、その瞬間にしか味わえないようなリアルタイムのコンテンツは価値が上がってきていると考えられるとのこと。

 

・医療、介護

究極のパーソナライズと持続的なモニタリングによって、大きなヘルスケア・データ・チェーンが構築されていくと考えられるとのこと。

 

▼製造業・ものづくりへのインパクト

ここでは基本的に売るだけのビジネスモデルではなくて、売ったあともお客さんと関わり続けられるビジネスモデルの変革の必要性が高まっているとのこと。

製品自体へのこだわり以外にも、ハード以外のソフトの面でどうやって付加価値を生み出してくかを工夫していく必要がある。また、データ分析やユーザの分析ができる人材が求められてくる時代になるだろう的な内容です。

 

▼小まとめ

基本的にビジネスモデルの変革が必須と考えられている感じ。また、ビジネスモデルの設計に関しては、他業種やクライアントやエンドユーザーを巻き込んだ生態系を設計するくらいの意気込みで考えた方が、IoTのメリットを享受できると思う。それと、IT業界の様々な分野で複占(2社くらいでの市場の占有)が見られるとのことで、IoTの分野もいずれ市場を占有するほどのプラットフォーマーが出てくるのではないかと予想されているが、それはIoT全体というよりも、もっと細かい分野で起こることだと思う。実際に事業などを考える際は、さらに具体的なことや課題から考える必要があると思う。

 

■今後、何が重要なポイントになると考えられるのか?

 

ここでは本を参考にして自分なりに回答をしていきたいと思う。ここまでの主張としては、IoTという概念を伴ったサービス・製品が普及することで、様々な産業や分野へ影響を与えることが分かった。

 

IoT製品等のさらなる普及に伴って、新しいビジネスモデルが生まれる可能性がある。しかもそのビジネスモデルは生態系全体で最適な動きができるようにすることが理想だとも考えられる。

 

具体的には、製品自体を売り込むというものではなくて、製品とサービス(アプリや自動作業)を組み合わせてユーザに価値を売り込むというスタイルになると考えられる。

 

特に、なんの差別化も生み出せないような一般的な家具や生活財とかではこの考え方が応用できるんじゃないかと思う。

 

これに対して、めちゃめちゃ高度な技術でしか作れない製品や部品とかは作って売るだけでも価値を提供できるはずなので、このような競争に巻き込まれないだろうとも考えられる。

 

ただし、注意が必要なのは、事業としてはいいかもしれないが、企業としては、IoT製品という枠に収まって、既存の技術の同一線上だけの改善等を繰り返すだけの経営は避けないといけないとも考えられるのではないかと思った。(だからこそ、最初のスキーム作りが重要。。。)

 

そして、最後にあえて、再度IoTを定義するなら、「自社・クライアント・ユーザの生態系において、様々なデータを把握、処理し、リソースを最適化し合理的に改善するためのもの」と言えるんじゃないかと。。。

 

■次の問い

・センサーや半導体は以前と比べてどのくらい価格が下がったのか?

・IoT製品でビジネスとして成り立っているものがあるのか?

・自分の想像よりも実際のIoT製品は流行っていないように思うがなぜか?

・IoTに基本的に必要な要素(技術)はなんなのか?

 

IoTまるわかり (日経文庫)

IoTまるわかり (日経文庫)