目次
■『AI 2045』を読むに至った背景
今回は『AI 2045』という本を読んだので、感想をまとめていきたいと思います。
僕は世の中が将来、どのような変化を遂げていくのかについて、とても興味を持っています。
そんな中で、ITには特に注目しています。また、ITが今よりもさらに発展し、世の中を大きく変えていく流れは今後しばらく変わらないのではないかと私自身は信じています。
このような考え方を持っていますが、ITと言っても結局何を指して話しているのか分かりません。IoT、AI、PC、プログラム、半導体等が含まれていますし、これら単体のキーワード自体もまた、広い意味で使われているため、あまり実体が掴めない言葉です。
私自身が今回テーマとして取り上げたいのは、AIというものです。大きく考えすぎかもしれませんが、その理由は今後全てを飲み込むほどのインパクトを社会に与えるものだと考えているからです。
もちろん、現時点でも世の中に対して強いインパクトを与えていることは否めないかと思いますが、その影響力は今後さらに強まっていくのではないかと考えています。
そこで今回は、
- 著名な人はAIとどのように関わっているのか?(もしくは、これからどのように関わろうとしているのか?)
- AIにどのような未来を見ているのか?
- AIにどのような問題点を見出しているのか?
- 人間はどのようなことに集中していけば良いのか?
という4つの問いを立てて読み進めました。
簡単に本の内容をまとめた後に、この4つの問いに対して回答を出すような形で考えていきたいと思います。
■『AI 2045』の簡単な紹介
『AI 2045』では、技術的なことには言及していません。人々がAIに対してどのような感情を持ち、どのように関わって行こうとしているのかをいくつかのテーマ毎にまとめ、インタビューなどを掲載している内容になっています。
そのため、AIに関して統一的な視点で体系的に学びたい方には適していません。
しかし、自分以外の他の人々がAIに対してどのような印象を持ち、どのような関わりかたをしているのかについて知りたい場合は、興味のある部分から読むと良いかもしれません。
もしくは、僕と同じような問いを持っている人も読んでみると良いかもしれません。
ただし、情報そのものに価値があるというよりも、情報をまとめてくれていることに価値があるような本ですので、自分の力でネットなどで情報収集する時間がある人は買わなくても良いかもしれません。笑
それが面倒くさければ買えばいいと思います。笑
■著名な人はどのようにAIと関わっているのか?
当たり前ですが、様々な人の記事やインタビューですので、AIという言葉を使う文脈も違えば、それにともなって、意味合いも異なってきます。
そこで、ここでのAIの定義は、様々な種類の莫大なデータを統計的に処理し、結論を出してくれるシステムとしておきましょう。
では、「著名な人はどのようにAIと関わっているのか?」という問いに回答するために、僕がこの本で感じたことをまとめていきたいと思います。
各テーマで話している人で共通する考え方としては以下があるように思います。
・如何にしてAIと同じ仕事をしないという考え方
・今の仕事や課題をAIと協力して如何に解決するかという考え方
・AIの導入で生じるであろう様々な課題に対して先手を打って行動する考え方
そして、ここの根底で共通する考え方は、AIの導入は不可避であるということです。
AIの導入や高精度・汎用的なAI資産を手に入れることは、今後の経済活動や政治活動でかなりのパワーを手に入れることになることが考えられます。なぜなら、現在の社会システム上では、生産性向上は競争力向上とほぼ同義だからです。
そのため、企業や国または個人での導入がますます進んでいくでしょう。そして、様々な専門家の間でもこの前提の上で言及されているように思います。
そもそもの問いが雑なのですが、「著名な人はどのようにAIと関わっているのか?」の回答は、AIの導入は不可避であり、様々な主体で、AIの開発そのものや活用方法によって今後の競争力に明確な違いが出ると考え、現在及び将来の問題の解決に取り組んでいる。ということにしておきます。
■AIにどのような未来を見ているのか?
では先ほどの問いをさらに具体的にしていく感じで、著名人たちはAIにどのような未来を見ているのでしょうか?
かなり刺激的で未来予測的な主張もありますが、ここも自分なりにまとめてみますと、
・生産性を高めてくれるもの
・創造力を高めてくれるもの
・中国がメインプレーヤーになっていく
・失われる雇用があるが、新しい雇用が生まれる
・AIが悪用されるかも
・AI自身が人に危害を加えるかも
・単純作業だけではなく、高度な専門領域にもAIが浸透していく
・データが重要
・脳のコピーが可能?
といった感じになります。
ここで共通していることは、著名人たちも将来的にAIがどうなっていくか分からないってことですね。また、AIについて言及している文脈では、強いAIのことか、弱いAIのことどちらについて言っているのか、定かではないことがあります。
また、当たり前ですが、将来のイノベーションを前提に話をしているパターンと現在の技術レベルから話しているパターンが散見されるため、なんとも言えません。笑
なので、精度の高いことは言えませんが、あえて飛躍しつつ、回答するとなると、
(AIが暴走する的なことに関してはよく言われていると思うので、言及しません)
創造性が発揮される新しい発見や考察、価値観などに基づく判断が要求される仕事は人間が担当する領域。
対して、莫大なデータを読み込み、高速でパターン化された仮説を生成し、検証作業を行う繰り返しを要求される仕事はAIなど領域になると考えられる。
と言えそうです。
これって、問い4の「人間はどのようなことに集中していけばいいか?」という問いへの回答でもあるような気がするので、4番への回答はこれにて終了とします。笑
また、中国がAI市場、人材やデータ量及びデータ活用可能性でかなり優位なポジションなため、今後、AIにおけるパワーバランスが中国に移行していくのではないかとも考えられています。
では、ここまでは実に抽象的で一般的な話でしたが、以下ではほんの少しだけ具体的なAIにおける問題点についてまとめていきたいと思います。
■AIにどのような問題点を見出しているのか?
この問いに応えるために上記と同様に気になったことを以下にまとめていきたいと思います。
・使う側の能力の差はあり続ける
・新たな発見、考察はできない
・結論に対する根拠が示せない
・倫理的な問題解決が困難
・電力を消費し過ぎてしまう
・AIに対応させた規律・社会をどのように構築していくか
細かい技術レベルの話をすると問題はいっぱいあると思うので、そのことについては言及しません。(そもそも知らないです。笑)
現状の技術ではAI自ら新たな発見や考察ができない創造性と伴う仕事は人間への比重が高くなっていくものの、AIの活用方法などの人間側の問題は今後も向き合い続ける必要がある。
また、結論に対する根拠が明確に示せないということは、結論に至った原因を人々に説明できないということである。現状は、大きな問題になっていないが、人の判断に影響を与えるようなAIサービスが普及した時、その点が問題になってくる。
さらに、倫理的な問題に対してAIは回答することができない。また、人間自身も正確な回答をすることができない。このような問題は社会のシステムから再構築する必要があると考えられている。
他方で、アルファ碁に代表されるAIの消費電力は25万ワットであり、人間の消費電力は21ワットで、約1万2000人分の消費電力に相当する。
とまぁ、大きなところで言っても様々な問題があります。ここまで大き過ぎるとあんまり、価値のある情報にはなりそうもないので、今後、問いをさらに詰めて行こうと思います。
■まとめ
まず、AIの影響力は様々な産業に及んでおり、様々な産業や様々な仕事で解決するべき課題が違うため、あんまり価値のある情報として回答が引き出せなかった。
そこで次回AIへの問いは、もっと具体的な業界や仕事など範囲を絞って問い続ける必要があることが分かった。
まぁ、今回の読書を通して、改めてAIの各産業への影響力は計り知れないとないことを実感した。同時に、失われる雇用と新しい雇用が生まれるバランスも大事だなという視点も得られた。ただし、人間的には大事と言っているだけで、技術の進歩は止まらないと思う。
■次回の問い
・AIの分野で倫理的な問題解決が要求されるビジネス領域はどのようなことか?
・脳のデータをコピーする上で、どのような障害があるのか?
・結論に対する根拠が示せない場合、どのような問題が生じるか?
・中国がなぜAIの領域でメインプレーヤーになると予想されているのか?
・AIは現在どのようにビジネス的な活用がされているのか?
・なぜ西洋では人型のロボットが受け入れられにくいと言われているのか?