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一国家の金融政策を整理し、金融政策の真の目的について考察した


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目次

 

  

先に注意点としまして、今回書いた内容は国の視点から考えてみました。

ですので、一般的な意見とは違うことがあるかもしれませんし、

僕の考えが間違っているかもしれません。

その時は遠慮なく教えていただけると幸いです。

 

金融政策(monetary policy)って何?

中央銀行が金融面から行う経済政策のことを言います。

また、金融政策はマネタリーポリシーと呼ばれることもあります。

英語では、Monetary Policyと言います。

 

金融政策を通じて、物価の安定、経済成長の促進、

そして金融緩和や金融引き締めをします。

 

ちなみに、

金融緩和とは金利を下げたり、

公開市場操作の買いオペなどをして、

市場にお金を増やし、

停滞している経済を活性化させることです。

 

反対に、金融引き締めは金利を上げたり、

公開市場操作の売りオペなどをして市場のお金を減らして、

加熱し過ぎている経済を沈静化させることです。

 

金融政策の目的は?

何のために金融政策をするのか気になってくると思います。

 

先に私の結論を言っておきます。

 

金融政策の真の目的は、

国を安定化させ、国民を治めること。

 

です

 

しかし、結論だけ言ってもしょうがないので、

一般的に言われている金融政策の目標を述べていきます。

金融政策の目標は6つあります。

 

それは、

(1)就業者数の完全雇用を実現

(2)経済成長

(3)物価の安定

(4)金融市場の安定

(5)金利の安定

(6)外国為替市場の安定

の6つです。

 

ではなぜこれら6つを目標としているのでしょうか?

ここではどのように目標を達成するかではなく、

6つをなぜ目標とするのかを一つ一つ述べていきます。

 

(1)就業者数の完全雇用を実現

失業による国の不安定化を防ぎます。

失業の増加は国民に多くのデメリットがあります。

例えば、一般的な視点で言えば、

家計が苦しくなり、個人の自尊心が失われて、犯罪が増加する。

 

また、経済的な視点で言えば、

失業が増えている時、

仕事のない人や閉鎖した工場などの設備は、

一国の国内総生産に多大な悪影響を与え、

社会を不安定化させる原因になります。

 

ちなみに、

ここで言う完全雇用とは失業者が0になるという意味ではありません。

経済学には自然失業率という言葉があります。

 

自然失業率(Natural rate of unemployment)は

「普通に経済活動をしている限り、根本的に失業はなくならないよ」

ってことを指します。

 

また、経済学的に、失業には2種類あると言われています。

それは、摩擦的失業と構造的失業です。

 

摩擦的失業(frictional unemployment)とは

労働者が自分のスキルや能力や好みなどから自分に合っている仕事を見つけ出すまでの失業のことです。短期的な失業とも捉えられます。

 

構造的失業(stractural unemployment)とは

存在する仕事の数よりも仕事を欲しがっている人の数が多いこと時に生じる失業です。

これは長期的な失業になりえます。

 

(2)経済成長

国民に自尊心とお金を与え、

進歩しているという満足感を与えます。

 

そうすることで、国を安定化させます。

 

と言うのも、経済成長と雇用の問題は密接に関わっています。

 

というのも、失業率が比較的低い時は、

企業は設備投資を加速させ、労働生産性を高めていると言えます。

そして、設備投資を積極的にするでしょう。

逆に、設備が稼働していない時は、

企業は生産性を上げるための投資を控えます。

 

こうなると、

国の経済成長と雇用の問題は関係していることが想像できるかと思います。

 

また、一般的に一国の経済成長を目的とする理由は、

国を安定化させるという目的があると思います。

しかし、実際、経済を成長させ続けることは可能なのか?

経済成長を求めることが本当に一国を豊かにすることなのか?

国を安定化させるためには経済成長以外に存在しないのか?

と言う問題も考える必要がありますが、ここでは言及しません。

 

(3)物価の安定

極端なインフレーション(インフレ:infration)やデフレーション(デフレ:defration)は

国民に多大な悪影響を与えます。

 

例えば、極端なインフレーションの場合、

国民の持っている土地(固定資産)の価格100万円だとしましょう。

100万円と言う価格は一緒でも国に出回っているお金の量がとても多くなると、

土地の価格は相対的に安くなってしまいます。

そうなると、国民に不満が溜まることはまちがいないでしょう。

 

逆に、極端なデフレーションの場合、

企業はいくら商品を販売しても、

収益はあまりよくありません。

収益が良くないと企業で働いている人の給料も下がってしまいます。

 

そうなると、

国民は自分のお金使ってモノを買ったりする消費を控えるようになります。

そして、さらに企業の収益は減ると言う流れができます。

さらに、このような動き(デフレ)を何度も繰り返そうとする方向に力が働きます。

 

この悪循環をデフレスパイラルといいます。

 

以上の極端なインフレ・デフレの結果、

経済成長がうまく達成できず、

長く続けば国民に不満が溜まっていきます。

 

注意する点として、

ここで言っているのは、

あくまで極端なインフレーションとデフレーションのことです。

 

軽度なものは国民にポジティブな影響を与えることもあるので、

全てが悪いわけではありません。

 

ちなみに、

インフレーション(インフレ)とは

物価(世の中全体のモノの値段)が継続して上昇していくこと。

 

つまり、物価の上昇は、

お金の価値が相対的に減少していくことになるのです。

 

言い換えると、

世の中に出回っているお金の量が

多過ぎるとインフレになります。

 

デフレーション(デフレ)とは

物価が継続して減少していくことです。

 

つまり、物価の上昇によって、

お金の価値は相対的に上昇するのですが、

みんなにお金が流通するだけの量がない状態です。

 

言い換えると、

世の中に出回っているお金の量が

少なすぎるとデフレになります。

 

(4)金利の安定

金利の変動は経済生活の不確実性を強め、

経済活動を停滞させます。

 

そもそもの前提として、

金利の重要性について説明しなければいけません。

 

と言うのも、

「金利に触れる機会は社会人になってから」

っていう方がほとんどかもしれません。

 

そのため、金利が世の中に与える影響を想像しにくいと思います。

僕の理解が想像の一助になるように述べていきます。

 

まずはじめに、

はっきりとさせたいことは金利についてです。

 

金利とは、

貸したお金に対する利子やその利率のことを言います。

 

例えば、友達から今日100円借りて、

「明日返すときは101円で返さなければいけない」

と約束をしました。

この時の金利は1円です。また利率は1%です。

 

金利がなぜ重要か?

ここで先にとても重要な中央銀行という組織を説明します。

中央銀行は一国で唯一お金を発行できる機関です。

先ほどの、個人の貸借りでは簡単に想像できますが、

実は、この金利という考え方は国(中央銀行)や民間銀行も採用しているのです。

 

と言うのも、

中央銀行(日本でいえば、日本銀行)は、

自ら発行したお金を民間銀行にお金を貸出ています。

そして、民間銀行は個人や企業などにお金を貸出ています。

また、民間銀行は民間銀行同士でお金を貸借りしています。

 

中央銀行が民間銀行にお金を貸出す際

民間銀行が個人や企業にお金を貸出す際

民間銀行が他の民間銀行にお金を貸出す際

のどんな場合であれ、貸出をする際には金利が生じます。

 

当然、この金利が高ければ他人からお金を借りることをしません。

 

つまり、金利が高なり過ぎると

民間銀行が中央銀行からお金を借りなくなる。

個人や企業が民間銀行からお金を借りなくなる。

民間銀行がある民間銀行からお金を借りなくなる。

ということが想像できます。

 

すると、

経済にお金が回らなくなるのが想像できるかと思います。

 

同時に、

「金利の変化というものは国全体に影響を与える」

ということも想像できると思います。

 

以上の理由から金利の安定は非常に重要なことなのです。

 

 

そして、金利の不安定な上昇は、

企業や個人の将来に対する見通しを非常に難しさせます。

 

ということは、

企業や個人は投資や消費を抑えて、

貯蓄する割合が多くなることにつながります。

 

っていうか、

「将来の計画をすることは難しいだろ。」

とツッコミたくなる気持ちを抑えて、ここまで読んでくれた方もいると思います。

 

その考えに対しては、

自分の仕事選びに対して、

ある程度の報酬があることを見込んで仕事を選んだり、

事業を選んだりしていると思います。

 

それってちょっとした未来予測ですよね。

その感覚で理解していただいていいと思います。

 

(5)金融市場の安定

金融市場の不安定化は

金融市場のお金の分配機能に対して悪影響を与える。

 

例えば、金融危機などの問題は、

一国の経済活動を簡単に停滞させます。

 

そのため、

金融市場並びに金融システムの安定化させることはは

金融危機の発生や広がりを抑えます。

 

金融危機とは

金融市場の不安定化で資金が流出し、

銀行などの金融機関が倒産し、

続けて他の金融機関が倒産などして、

金融システムの成立そのものを脅かようなこと。

言い換えると、金融から発生する経済危機の一種。

 

(6)外国為替市場の安定

自国通貨の価値が急激に上がった場合、

自分の国の商品価格の競争力は低くなります。

逆に自国通貨の価値が急激に下がった場合、

インフレを引き起こします。

 

そして、為替が安定していると、

企業や個人の事前の計画が立てやすいことから

外国の商品の購入をします。 

 

もし、自国通貨が不安定で外国商品を買う場合、

値段が急激に上がったり下がったりしている中、

企業や個人はたとえ外国の商品が品質上、

当時の値段上、メリットがあったとしても、

リスクが高いと感じるでしょう。

 

これを放っておくと、

企業や個人の不満は溜まっていきます。

 

まとめ

今回はここまでとさせていただきますが、

以上の金融政策の共通点は、

継続的に成長・安定させることです。

 

そして、なぜ継続的に成長・安定させるのかを

考えてみると、もっとも本質的な目的が見えてくると思います。

 

国は国民・領土・政府があって初めて成り立ちます。

このうちの国民の意見は非常に重要です。

継続的に成長・安定させなければ国民の不安や不満が溜まっていきます。

国民の不満から国を維持するのは難しくなる可能性があります。

それを防ぐための方法の一つが金融政策なのです。

 

つまり、

真の目的は、国を安定化させ、国民を治めること。

 

そのために金融政策では以上の6つの目標を管理します。

 

しかし、

以上で述べた6つの目標を

同時に達成できないという矛盾が存在しています。

それについては、追って述べていきたいと思います。

 

もっというと、

以上の6つの目標を果たして金融政策で

コントロールできるのか?という問題もあります。

 

他方で、

国を安定化させ、国民を治めるための方法は、

金融政策以外にも、公共政策・財政政策・通商政策などがあります。

それについても、追って述べていきたいと思います。