目次
今回は社会課題を解決、且つ、営利目的の一つの手段である起業・創業について考察を進めていこうと思います。ちなみに、ここで言う社会課題とは、社会に生じる大小関わらずすべての課題を指します。
■僕の考える会社の重要なポイント
まず、かなり根本的な要素を整理しようと思います。
- 会社は事業があって初めて成り立つ。
- 会社(事業)は利益を得ないと存続できない。
- 事業は社会課題を解決するための体系、方法、人、お金が必要。
- 事業には寿命がある。
①会社は事業があって初めて成り立つ。
これは結構当たり前の話ですが、会社があって初めて事業があるのではなく、事業が初めにあって会社があるということです。言い換えると、解決したい課題が先にあり、解決方法があって、それを商品として人々の悩みを解決するということです。
つまり、事業の塊として会社を捉えると、会社は社会課題を解決することが存在意義なのです。
もちろん、新たな課題の探索・新たな解決方法・改善のための組織作りは経営者の思想に依りますが、会社の初めは事業ありき、課題ありきだと考えています。
②会社(事業)は利益を得ないと存続できない。
これまた当たり前の話ですが、会社もしくは事業は利益がないと存続できません。そのため、商品やサービスを人々に提供し、金銭的な対価を得なくてはいけません。もっというと、商品やサービスにかけたコスト以上の売上を得なくてはいけません。でなければ、会社の人・モノ・カネ・情報といった資源を管理・運営することができません。
③事業は社会課題を解決するための体系、方法、人、お金が必要。
またまた、当たり前の話ですが、事業は社会課題を解決することが存在意義です。事業を運営するためには社会課題を解決するための方法、お金、人、モノが必要です。これはマネジメントなどでよく言われる4大資源の人、モノ、カネ、情報とも言えます。
④事業には寿命がある。
これは意外と見逃しやすい事実です。事業には人と同じように寿命があります。その理由として、ここではかなり簡単に飛躍して説明しますが、人は変化を好み、同じことは飽きてしまいます。本質的には変わらなくても人は新しいことを追求し続けます。そのため、人の考え方は時間、世代、国、地域、会社、組織、家族などの影響を受けて変化します。こうして、それぞれの主体が変化を続けることで、社会課題も変化します。したがって、人々の価値判断の変化に伴って、事業自体も新しく生まれ変わらなくてはいけません。
小まとめ
- 会社は事業があって初めて成り立つ。
- 会社(事業)は利益を得ないと存続できない。
- 事業は社会課題を解決するための体系、方法、人、お金が必要。
- 事業には寿命がある。
以上の内容について言及してきました。まぁ、はっきり言って当たり前ですよ。けど、情報収集や色んなことを考えているうちにこんな簡単で重要なことも忘れてしまうんです。さて、ここまでで整理している中で、自分的に問題がでてきました。それは以下の通りです。
- 社会課題を解決できるなら会社組織でなくても良くない?
- 社会課題ってどうやって見つけんの?
- 課題の解決方法ってどうやって見つけるの?
- 利益ってどうやって決めるの?
- 事業の寿命に備えるとどんな選択肢が考えられるかな?
以下ではそれぞれについて考えて行こうと思います。
■会社組織でなくても良くない?問題
そもそも課題を解決できるんだったら会社組織である必要はなくないですか?と単純に思いました。そこで一般的に考えられる会社としてのメリットやデメリットから考えていきたいと思います。
▼会社
- 社内リソースの中では低コストで事業運営ができる
- 社会的な信用が得やすい
- 技術や情報といったノウハウが個人ではなく組織や会社に蓄積する
- イノベーションのジレンマが起きやすい
- 大きな事業に取り組むことができる
- 拘束力や義務が生じる
▼個人
- 動きが早く、変化に対応しやすい
- 資本力や技術力が無く、事業規模は小さくなる
- ノウハウが個人に集積する
- 技術力に大差はない場合、ブランディング、継続的な創造性が必要
- 拘束力や義務は弱い
とまぁ、ここまでで会社の良いところと個人の良いところをミックスすれば良いじゃん的な、ありきたりな発想になるわけですが、実際は、かなり難しいのが現実だと思います。かなり多くの要素(上記以外の要素も含め)がトレードオフの関係にあるからです。
そこで、単純に考えて、大きい事業するなら会社組織、小さい事業するなら個人でやれば良いんじゃないかなと思います。(何を持って大きい小さいと判断するかは自分で決めて〜w)
なので、実際は事業の寿命を前提に、各テーマ毎に会社を作って、課題解決を提供、社会的な必要性がなくなったら売却するか撤退するか新規事業を生み出すか投資するかって判断がまともだと思います。
となると、後でも言及しますが、会社として生き残るには、人、組織、文化として新規事業を創出してまくって、成長させまくる企業として生き残るか、新しい事業に対して投資をする投資企業として生き残るか、リタイヤするかの三者択一なのかな?とも思いました。
ただ、注意したいのが、ここまでの発想の出発点は企業側からの視点です。個人から考えたら別にどっちでもいいと思います。会社にいながら、個人的な働き方をして良いわけですから。(公務員とか会社として副業を禁止してたらその例に入りませんけど)
■社会課題ってどうやって見つけんの?問題
本当この点に関してはどうしようもありません。あらゆる情報収集を通して、問題を見つけて、問題を再定義したり、問題の解決方法を探るしかありません。
問題の発見については情報収集及び、論理的思考、分析的思考、構造的思考に関する能力を高める必要があると思っています。そして、これらの能力は様々な書籍やブログで紹介されていると思いますので、それを参考に自分なりに仮説を持って情報収集や問題の再定義を行って、解決方法を探って行けば必ず新しい価値を生み出すはずです。
このような形で新しい価値を生み出すには忍耐強さが必要です。無い人は諦めてください。(違う方法で価値を生み出すことを考えたほうがいいです)
特に僕が最近注意していることは、人に関する情報(本質的な部分)はあんまり変化しないと思ってるので、技術の変化についてはアンテナを張り巡らしています。
また、社会課題の規模感については意識しています。この課題、解決方法でどのような人の問題解決ができて、どのくらいの人数・量をカバーできるのかといった具合です。
理由は「1人や10人程度の課題を会社として解決する意味ってあるのかな〜、会社ならもっと大きな規模感でやるのが適切なんじゃないかな〜」っていう価値観を持っているからです。
■課題の解決方法ってどうやって見つけるの?問題
課題をベースに、技術やターゲティングなどを組合わせて課題を解決します。これも情報収集や問題の再定義、競合などの分析など様々な情報を整理、再構築することによって自然と思いついてきます。
また、往々にして問題は様々な利害関係の中で存在するので、その利害関係の整理という視点も非常に重要になります。
ただし、技術的な視点、法律的な視点、文化的な視点、所有するもしくは所有できる資源から、現実的に実現不可能であればアイディア時点で諦めるしかありません。
例えば、人間の永続的な生命活動をしたいとというニーズはあっても、解決方法が現時点でありません。
例えば、ある国で代理出産をしてほしいというニーズがあっても、国によっては違法となる場所があります。その場合、そのある国では代理出産という方法では問題解決できません。
例えば、たんぱく質を摂取したいという菜食主義者に対して、お肉を提供するという方法は現実的に難しいでしょう。
以上のように最低でも、幾つかの視点から問題が現実的に解決可能かという判断は必要に思います。
■利益ってどうやって決めるの?問題
ここは少なくとも商品や事業にかけたコストより売上を上げる必要があります。その理由は簡単で、「売上ーコスト=利益」だからです。じゃあ、売上にどんだけ利益を乗っけてもいいのか?って考えになりますが、そんなことも無いと思います。
なぜならは問題解決の重要度、難易度、所持金によって、人はいくらお金を払っていいのかというものがなんとなく決まっているからです。
ただし、注意が必要なのは、多くの人がいくらまで出せるかなんてはっきりとした数値や基準は持っていません。ですが、経済学などでよく言う需要と供給のバランスという視点を持つと多少の方向性は考えられるようになります。
というのも単純で、需要が少なく、供給が多ければ、価格は下がります。
反対に、需要が多く、供給が少なければ、価格は上がります。
なので、需要と供給を市場調査で消費者や競合について調べ、ポジショニングを仮定することである程度のレベル、一定の幅をもって解決できます。
■事業の寿命に備えるとどんな準備ができるのか?問題
先ほども触れていたと思いますが、他の会社に投資をするか、会社として新規事業を行っていくか、売却もしくは撤退するか、という3つの方法しか現実的に無いように思います。そこで、それぞれの方法の価値観や特徴についてざっくりと箇条書きで、かなり極端に考えていきたいと思います。
▼投資会社
- リスク低め
- 会社自体の人数規模は少なめでもいける
- 投資スタイルによっては比較的生き残りやすい
- 世間の問題や解決に対して第三者スタイルで取り組む
▼多くの新規事業を創出
- リスク高め
- グループで考えると会社自体の人数多めになる
- グループで管理するとしたら、まぁまぁ手間かかる
- 世間の問題や解決に対してプレイヤー、主人公スタイルで取り組む
- 会社やグループとして新規事業を考えるとどうしてもシナジーを狙う(大抵、ある一定の枠に発想が収まる)
▼売却や退却やリタイヤなどを含んだ個人として生きていく手段(ここは個人的)
- リスク低め(お金があれば)
- ストレス環境なく生活できる(お金あり、人間関係がよければ)
- 自分の欲求にしたがって人生を満喫できる(お金があれば)
- 世間の問題や解決に対しては、ただの傍観者で取り組みもしない
- 個人として組織に所属して、自分以外の世間の問題を他人事として片付けられる
- 組織に所属して、自分の満足するレベルの問題に取り組んで一生を終える
小まとめ
要するに、どうやって生きたいかを選ぶことでもありますね。
その場その場の状況や時代によってもやりたいことは変わし、極端に選択することも無いでしょう。また、バランスを見て組み合わせればいいとも思うので、一概には言えませんが、今のところ、僕的には主人公スタイルで問題に取り組むことがいいかな、楽しそうだなと思っています。
■まとめ
ここまでの内容、各部分に関してはもっとちゃんとした理論とはもちろんあると思います。けど、基本的に何をやるかといった戦略レベルの話はどう考えても自分がどう生きたいか?どうしたいか?といった根本的な価値観とは切り離せません。
結論を言うと、自分の価値観のバランスに従って、どんな組織を選択するかが問題だと思いました。細かい組織理論なんかもありますが、それは価値観があって初めて力を発揮できるんじゃないかなと思います。
また、今回の記事のように、取り得る選択肢から物事を考えると、人生が急に魅力的ではないように見えてまうことがあるかもしれません。
他方で、このような考え方を通して、様々なレベルの問題解決をすることが人生の楽しみなのかなとも感じました。
多分、多くの人がこの事実に気づいているけど、目を背けたりしているのかなとも思います。淡々と問題解決をするしかない。淡々と楽しむしかないと。「問題→解決」の繰り返しという意味では毎日同じことの繰り返しですからね。
けど、だからこそ、人生や問題に対して、淡々と取り組める人は違いを生み出せるのかなと思いました。
*ここで言う、淡々という言葉は、行動や実行をし続けなければいけないという意味で淡々です。感情に関して淡々という意味ではありません。言葉の使い方が正しくないかもしれませんが。。。